透明な秋

【PowerShot S95】


雨の朝だったから午前中は妻と買い物など。
午後は父の入院先へ。
父は杖なしで歩くこともできるようになっていた。
ずいぶんとリハビリを頑張った様子。
思考の柔軟性には欠けるけど、目標があればコツコツと努力を重ねられる人間なんだよね。
事故後の入院生活の中で、僕は父との距離が近づいたように思う。心の距離ね。
「よく分からない人間」
それが、僕から見た父の印象だった。
父は、どこからか借りてきた言葉で話すことが多くて、彼の本音を見つけるのはとても困難だ。
対面で話していると父だけが不透明な膜に覆われている感覚になることがある。
そうして、彼はよく孤立してしまうのです。
ところが、この数ヶ月は家族の中で自分だけが父に接する時間が多かった。
混沌とした意識状態からの回復を段階的に見てきたことで、父の言葉を聞けるスキルを身に着けたのだと思う。
面会を始める時、僕が母と並んで座っていると、父は椅子をわざわざ移動して僕の前に座るのだ。
父の言葉を、とても透明に感じる。


帰宅して16時前。
日没までライドに出る。
ここ数日間、何度もサドル位置を変更しつつ試走を重ねた。
これまでよりも８mmサドルを前に出したポジションがしっくり来ている。
今日は高さの微調整を２回。
目指すはバイクとの一体感。




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　早見沙織／透明シンガー